やる気ゼロのOLが働きがいに目覚める

学校を卒業してからの経歴を教えてください

実は、大学時代まで幼児教育の道を目指していました。でも持病で断念せざるを得ず、就職が決まらないまま卒業。大手建設会社に非正規雇用として採用されたもののやりがいや目標を見出せず、言われた通りにデータ入力やお茶くみをこなすだけでした。もし当時の自分に会えたら、ひざを突き合わせてコンサルティングしたいですね（笑）。

今の橋本さんからは想像できないですね

でもだんだんと「みんなが働きやすくするにはどうすればいいか」を考えるようになり、仕事にちょっとした工夫をするようにしました。そうしたら「ありがとう」と言われることが増えて行ったんです。
「仕事って楽しいかもしれない」と思って自主的に動くようになったら本当に楽しくなり、最終的に子会社の正社員に登用してもらうことができました。
この経験が、社員の働きがいやモチベーションを重視したコンサルティングを行う原点になっています。

なるほど。その後すぐにコンサルタントに転身したのですか？

いいえ。メーカーの営業職を経て、外資系の人材教育会社に転職し、会社員を対象にした自己啓発セミナーの講師をつとめていました。元々幼児教育を志していたこともあり、人を育てることにとてもやりがいを感じるので。
でも、だんだんと疑問が湧いてきました。
自腹を切ってセミナーに参加する会社員はごくわずかですし、短期間の講義では一過性のもので終わってしまう可能性も高い。それよりも、私が企業に出向いて長期的に関わっていたほうが人が育ち、組織が成長するのでは……。
そう考えるようになり、国内人材会社を経て2001年に独立しました。

企業を変え、日本を変えたい

今後の目標を教えてください

日本に自信と誇りを取り戻すことです。そのためには大人が活き活きと働き、それを見た子どもたちが「かっこいい。自分もああなりたい」と思える社会に変えていく必要があります。日本の子どもは世界的に見ても自己肯定感が低いという調査結果がありますが、大人自身が自信を持てていないケースが多い。
一日の大半を占める仕事にやりがいがあれば、自然と誇りをもって生きていけるのではないでしょうか。
私のコンサルティングが仕事の楽しさを再発見するきっかけになれば、こんな嬉しいことはありません。

とても壮大な目標ですね。子ども向けのNPO法人の理事長を務めているのもその一環ですか？

そうですね。「子どもたちが笑顔で生きる未来創り」をテーマにしたNPO法人Try Fieldの活動を前身も含め1994年から続けています。野外活動を通じ、考える力や行動力を身につけることを目指しています。
今の子どもは塾や習い事で忙しいけれど、人間力を伸ばす機会も必要です。この活動で大切にしているのは、子ども扱いせず人として向き合うこと。大人のコンサルティングと同じですね。大人になった元参加者は「細かいことは忘れたけれど、本気で怒られ、本気でほめられたのは覚えている」と言っていました。

人を育てるのが天職なのですね

そうかもしれません。私は企業のコンサルティングを行っていますが、向き合っているのは株式会社○○ではなく、鈴木さんや田中さんといった、バックグラウンドも価値観もそれぞれ異なる人。個人の能力と組織全体を同時に伸ばしていくことが、コンサルタントの役目だと考えています。

最後に、経営者にメッセージをお願いします。

私の考えは理想論だと感じるかもしれません。でも、私は1%でも可能性があればそれを信じて突き進むタイプです。実際に、理想が現実となる驚きと喜びを、経営者の方々や社員の皆さんと分かち合ってきました。

過去は変えられないけれど、未来は選択していくことができます。

業績が伸び悩んでいる、現場と経営層の意思疎通がうまくいかない、人材が採用できないなど、今ある課題を解決し、望む未来を手に入れるお手伝いをさせていただきます。